神社の格式(社格)を知る|式内社・一宮・近代社格制度の基礎
社格とは神社の格式を表す一般的な考え方です。式内社・一宮・近代社格制度という三つの切り口から、参級の学習に役立つ社格の全体像を、制度は変遷している点をふまえて中立にやさしく整理します。
社格とは、神社の格式や位置づけを表す一般的な考え方を指す言葉です。ひとくちに神社といっても、古い記録に名を残す社、地域の中心として崇敬を集めてきた社、国家の制度のなかで区分された社など、歴史のなかでさまざまな「格」の捉え方が積み重なってきました。ここで大切なのは、社格は一つの固定した制度ではなく、時代ごとに異なる基準が並行して用いられてきたという点です。古代の朝廷が編んだ記録に由来するもの、中世の地域社会が育んだもの、近代国家が定めたものは、それぞれ背景も目的も違います。この記事では、参級の学びでよく登場する「式内社」「一宮・総社」「近代社格制度」という三つの切り口から、社格という言葉の意味と歴史の流れを、制度に変遷がある点をふまえて中立に整理していきます。細部の分類や呼称には諸説あり、詳しくは公式テキストや原典で確認するのが確実です。
式内社とは|『延喜式』神名帳に記された神社
式内社とは、平安時代に編まれた『延喜式』の巻物のうち、神名帳と呼ばれる部分に名前が記載された神社を指すとされます。まず結論から言えば、式内社であることは「その神社が古くから朝廷に認識され、公的な祭祀の対象とされていた」ことを示す一つの手がかりになります。『延喜式』は、当時の律令制度を運用するための細則をまとめた書物とされ、その神名帳には全国の多くの神社が国ごとに列挙されていると伝えられます。そこに載る社を式内社、載っていない社を式外社と呼び分ける考え方が一般に知られています。ただし、当時の記載と現在のどの神社が対応するのかについては諸説あることも少なくなく、「延喜式に載る◯◯神社の後裔と伝えられる」といった形で語られる場合があります。式内社という言葉は、神社の古さや由緒を考えるうえで参級の学習でもよく登場する基礎用語ですが、記載の有無がそのまま神社の優劣を意味するわけではない点には注意しておきたいところです。
一宮・総社とは|地域における格の考え方
一宮・総社は、律令制のもとで区分された地域(旧国)ごとに育まれた、地域社会における神社の格の考え方です。結論として、これらは中央の制度というより、地域の崇敬のあつまりのなかで形づくられていった位置づけと理解するとわかりやすいでしょう。一宮とは、ある国のなかで特に格が高いとされ、その地域を代表する神社として崇敬を集めた社を指すと一般にいわれます。国司が着任後にその国の神社を巡拝する慣習があったと伝えられ、その順序の第一に位置づけられた社が一宮と呼ばれるようになった、という説明がよく紹介されます。総社は、国内の神々をまとめてお祀りするために設けられたとされる社で、国司が個々の神社を巡らなくても参拝できるようにした、という由来が語られることがあります。一宮の数や、どの神社が一宮とされるかは地域や時代によって異なる例もあり、複数の一宮が伝えられる国もあるとされます。地域ごとの格という視点は、全国の神社の広がりを立体的に理解する助けになります。