和食の調理はどう体系立てられている?|五法・五味・五色とだし、調味の順序で覚える基本
料理名をひとつずつ覚えるより、どんな加熱をして、どんな味の要素を組み合わせ、どんな色を並べるのかという枠組みから見るほうが早く身につきます。五法・五味・五色、だしの取り方、さしすせその理屈、一汁三菜の組み立てまでを整理します。
和食の調理は、五法・五味・五色という三つの物差しと、だしという土台の二本立てで捉えると、ばらばらに見えた料理名が体系のなかに収まります。個々の作り方を覚えるのではなく、どんな加熱をして、どんな味の要素を組み合わせ、どんな色を並べるのかという枠組みから入るのが近道です。
ここでは、膳が偏っていないかを点検する三つの物差し、味の土台となるだし、調味料を加える順序の考え方、そして一汁三菜に代表される献立の組み立て方までを順に取り上げます。
五法・五味・五色とは何を指す?|膳の偏りを点検する三つの物差し
五法は調理の方法、五味は味の要素、五色は彩りを指し、この三つを重ねて膳が偏っていないかを点検する考え方です。同じ加熱方法や似た味つけばかりが並ぶと単調になるため、三つの軸で散らすという発想が土台にあります。
五法は、生・煮る・焼く・蒸す・揚げるの五つを指すとされます。刺身や酢の物は生、煮物は煮る、焼き魚は焼く、茶碗蒸しは蒸す、天ぷらは揚げる、という具合に料理を振り分けてみると、同じ調理法が重なっていないかが目に見えるようになります。
五味は、甘味・酸味・塩味・苦味・旨味とされることが多く、資料によっては辛味を含めて数える場合もあります。五色は白・黒・赤・黄・青(緑)を指し、白は飯や豆腐、黒は海藻やごま、赤は魚や人参、黄は卵や柚子、緑は青菜というように、色を意識して食材を選ぶと膳全体が整います。これらに五感を加えて説明されることもあります。
この三つの物差しは、覚えるためだけの言葉ではなく、実際に膳を組むときの点検表として使われてきたものです。考えた献立を書き出し、それぞれの一品が五法のどれにあたるか、どの色が欠けているかを見ていくと、足りない一品が自然に見えてきます。